Monday, August 29, 2011

とらやの豆皿

皆さま、とらやの豆皿をご存知でしょうか?
とらやの豆皿は、虎屋菓寮でお汁粉などの箸休めをのせてお出しするために制作し、その後「とらやオリジナルグッズ」として5枚セットで販売しています。

一般には、豆皿(まめざら)は香の物などを盛る手塩皿(てしおざら)のうち、特に小さなものを指しているといわれ、大皿や銘々皿には見られない様々な形や緻密な絵付けなど趣向を凝らしたものが多く、それが豆皿の楽しみともいわれています。
今回は、とらやの豆皿の趣向をご紹介するとともに、目にする機会が少ない豆皿の「型」をご覧いただきます。


『豆皿 御菓子之畫圖写(おかしのえずうつし)』

元禄8年(1695)の絵図帳#1に描かれた菓子を写した豆皿です。
~栞より抜粋~
『花ぐるま』(左上)
花を積んだ車や花見に出かける車、あるいは車輪に桜や山吹などの花をあしらった紋所(もんどころ)を花車といいます。
『名月』(右上)
「花鳥風月」「雪月花」などの言葉があるように、日本人は、月をこの上なく美しいものとして愛でてきました。菓子「名月」は、曇りなく輝く満月の光を、三重の円で表現しています。
『あられ地』(中)
菓子を切ると、断面に白い霰(あられ)が散ったかのような模様が現われます。霰地(あられじ)は文様の名で、平安時代の貴族の装束にも使われていました。
『しののめ』(左下)
 「しののめ」とは「東雲」とも書き、東の空に明るさの兆しが感じられる頃を指します。夜の闇が朝に光で薄れる様を、たなびく雲とともに意匠化した菓子です。
『玉の井』(右下)
能「玉井」に登場する、龍宮から授けられる宝玉を見立てたのでしょうか。または山城国(京都府)の歌枕「井出の玉水」を「玉の井」ということにちなみ、玉のように美しい水滴の形とも思われます。


絵図帳に描かれた菓子は3~4色の色づかいですが、豆皿は絵図帳どおり絵付けするのではなく、凹凸と釉薬(ゆうやく)の濃淡で表情を作っています。これは、豆皿に盛られる食物や、盆に配される器との景色を考えてのことです。



豆皿をはじめとする虎屋菓寮の陶磁器は、愛知県瀬戸市にあるセラミックジャパン様で制作しています。
「型」には、セラミックジャパン様で作られる「原型」、型屋さんが「使用型」を作るための「ケース型」、そして鋳込み(いこみ)屋さんが鋳込み成型に使う「使用型」の3つがあります。


<原型>

原型は、図面をもとに石膏で作られます。
素地は焼成すると縮むため、原型は収縮率を考慮して大きく作られます。
凹凸の微妙な加減により、焼き上がった時の釉薬の表情が生まれます。






<ケース型>

豆皿を作るための型「使用型」を制作する型が「ケース型」です。
原型を型屋さんに運び、原型通りの見本型を作り、その見本型を使ってケース型を作ります。




<使用型>

泥漿(でいしょう:素地ともいわれる磁土に水と珪酸ソーダを混ぜたもの)を流し込み鋳込み成型に使う型です。
ケース型の表面にカリ石鹸を塗り石膏同士がくっつかないようにして作られます。
※画像をご覧いただくと、凹凸が逆であることがわかります。



この後、「使用型」を使い鋳込み成型された豆皿(素地が固まったもの)は、窯屋さんで素焼きされます。
そして鐶虎の印をつけ、釉薬をくぐらせ素早く水で余分な釉薬を流した後に、はじめて本焼成され完成です。


このように「型」を使い作られる豆皿。
とらやでは、次にご紹介するものも販売しています。



『豆皿 御菓子見本帳写(おかしみほんちょううつし)』

大正時代に描かれた菓子絵図帳から、おめでたい意匠を選び豆皿としたものです。
~栞より抜粋~
『花亀甲(はなきっこう)』(左上)
亀の甲羅を表わす六角形に菱の花形をおいた意匠は、伝統的な吉祥文様のひとつといえるでしょう。
『庵の梅(いおりのうめ)』(右上)
梅は花びらが5枚あることから、長寿、裕福などの「五福」に通じるとされます。
『千代の契(ちよのちぎり)』(中)
中睦まじさ象徴である鴛鴦(おしどり)の意匠。菓銘には「いつまでも夫婦の約束を交わす」という慶びの意が込められています。
『万菊(まんぎく)』(左下)
菊は長寿の象徴として尊ばれてきました。一面に白菊が咲き誇るさまを表わした菓子です。
『玉代の友(たまよのとも)』(右下)
宝のたまとされる宝珠をかたどった菓子です。「如意宝珠(にょいほうじゅ)」は、願いをかなえるといわれます。




#1:菓子の姿を彩り美しく描いた見本帳。ご注文の参考にお得意様に配られた、現在の商品カタログにあたるもの。

------------------------------------------------------------
『豆皿 御菓子之畫圖写(おかしのえずうつし)』
販売店:直営店全店
価格:3,675円

『豆皿 御菓子見本帳写(おかしみほんちょううつし)』
販売店:東京ミッドタウン店
価格:3,675円
------------------------------------------------------------



最後に、色とりどりの豆皿をご覧ください。
東京ミッドタウン店で2009年に開催した「せともの展」では、15種の釉薬と10種の形を組合せて700枚の豆皿を制作しました。

ご意見おまちしています。
E-MAIL:blog@toraya-group.co.jp|http://www.toraya-group.co.jp/

Monday, August 22, 2011

新商品の詳細をお知らせします

8月15日のブログで予告しました、秋の新商品の詳細をご紹介いたします。


菓銘は『茶々羹(ささかん)』と名付けました。
さまざまなお茶の風味を味わえる菓子であることを、「茶」をくり返す「茶々」と表現し、
餡を使わずに寒天でお茶の香りと味わいを閉じこめることから、「琥珀羹」の「羹」の
文字を組み合わせて『茶々羹』といたしました。
寒天とともに澱粉を使い固めることで、なめらかな食感とやわらかな口あたりに
仕上げました。

では、4種類の味をご紹介します。

    ・抹茶
    抹茶の豊かな風味にこだわるとともに、緑の色鮮やかな京都産の宇治抹茶を   
    原材料としています。

    ・ほうじ茶
    菓子の素材としては風味が薄く原材料選びには苦労しましたが、
    主に京都・奈良産のほうじ茶を使うことで、ほうじ茶独特の香ばしさと風味を
    お楽しみいただける商品となりました。

    ・玄米抹茶
    香ばしい香りと味が特徴の静岡県産の玄米を使用しています。
    玄米茶は一般的に玄米と番茶で作りますが、風味をよりよくするために
    玄米と抹茶を組みあわせました。

    ・黒豆茶
    北海道産の黒豆を菓子として仕上げた時に風味が最もよくなるように、焙煎方法
    にこだわりました。
    香ばしくコクのある黒豆茶の風味に、きっとご満足いただけることと思います。



パッケージデザインを拡大しました。 















皆さまは、このパッケージからどのようなことをイメージされますか?
このデザインは、湯のみに注がれたお茶を真上から見たところをイメージしています。
温かいお茶を注いだ湯呑みを手に包み込んで、眺めているだけでホッとしませんか?

『茶々羹』は9月1日発売です。
皆さまもぜひ、とらやの新しい味をお試しください。


--------------------------------------------------------------------------------------
『茶々羹』
・発売日    9月1日(11月上旬3月下旬まで販売します)
・販売店    とらや全店・オンラインショップでお求めいただけます。
・価格        各1個:210円
                  8個入:1,890円  12個入:2,730円  16個入:3,675円  24個入:5,460円
・内容量    各1個45g


E-MAIL:blog@toraya-group.co.jp|http://www.toraya-group.co.jp/

Saturday, August 20, 2011

虎屋 和菓子オートクチュール:白寿のお祝い


本日は、白寿(99歳)のお祝いの和菓子をご紹介します。
















お客様から、「人生をテーマにしたお菓子を贈りたい」というご要望を
いただき、白寿をお迎えになるお客様の人生を川に見立ててお作りしました。

川とともに、「幸せが飛んでくる」という花言葉を持つ胡蝶蘭と、
花に集まる蝶を配して、白寿をお祝いし長寿を願うお気持ちを
かたちにしました。

人生の大切な節目にご用命いただきましたこと、そして和菓子を
通じてお祝いの席に参加できましたことを、とても嬉しく思いました。


今回の和菓子は、ホールケーキのように切り分けてお召し上がり
いただく、喜びとともに1つの大きな和菓子を分けあうものです。
皆さまも、ぜひ虎屋和菓子オートクチュールにご相談ください。


虎屋 WAGASHI・HAUTE COUTUREは、お客様だけの特別な和菓子をご用意しています。
(同一のものはお作りできませんので、ご注意ください。)
E-MAIL:blog@toraya-group.co.jp|http://www.toraya-group.co.jp/

Tuesday, August 16, 2011

クリームあんみつ

植物性の原材料にこだわっているとらやですが、虎屋菓寮にも
『クリームあんみつ』があります。
そう聞いて、驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『クリームあんみつ』は、東京ミッドタウン店の夏限定メニューです。

世間には当たり前のようにある『クリームあんみつ』ですが、
虎屋菓寮で作るにあたっては、いろいろな迷いがありました。

虎屋菓寮のあんみつは、餡を楽しんでいただくもの。
「とらやの餡とアイスクリームは合うのか」、
「合うとすればどのようなアイスクリームなのか」、
「そもそも虎屋菓寮に‘アイスクリーム’があって良いのか」…

迷いながらも、餡と相性の良いアイスクリームを探し当て、
2008年に東京ミッドタウン店のメニューに加わりました。

「アイスクリーム工房 ぼぼり」さまのアイスクリームは、
牛乳そのものの味が感じられ、餡や蜜との馴染みもよいものです。

アイスクリームは、表面が融けだすくらいがおいしいと言われます。
先にアイスクリームを楽しむのも良いですが、柔らかくなるのを待って
餡や寒天に絡み合う味わいをお楽しみください。


<クリームあんみつ>
販売店:虎屋菓寮 東京ミッドタウン店
価格:1,365円(税込)
期間:6月上旬~9月下旬


E-MAIL:blog@toraya-group.co.jp|http://www.toraya-group.co.jp/

Monday, August 15, 2011

『夏羹』と秋の新商品



















『夏羹』は、日本の果実の自然な風味を和菓子の素材である
寒天で固めた夏菓子です。
(毎年のことですが、8月後半でその年の販売が終わります)

そしてこの秋、『夏羹』同様のカップ入りの新商品が誕生します。
この商品は、数年前から「日本のお茶の香りと味わいを閉じ込めた
なめらかな和菓子」 をと考え、試行錯誤を重ねてきたものです。

味やパッケージは、近日中にお知らせします。
皆さま、楽しみにお待ちください。



 


E-MAIL:blog@toraya-group.co.jp|http://www.toraya-group.co.jp/

Tuesday, August 09, 2011

とらやの扇子

平安時代に日本で生まれた扇子。
現在のように、扇いで涼をとるという使い方は、江戸時代後期に
広まったといわれています。

















この扇子は、とらや所蔵の「竹虎蒔絵井籠」(下の画像)をモチーフに、
京都の老舗 宮脇賣扇庵様とともに制作した
とらやオリジナルの扇子です。

柿渋塗りの仕上げは、もとの井籠や虎の風合がうまく再現されています。




蓋に描かれた虎を拡大したものが
左の画像です。
扇子では、折りに隠れていた、
精悍な表情がよくわかります。





今回ご紹介した「とらやオリジナル扇子」は、東京地区の
直営店限定で販売しています。
バッグに入れてもかさ張らずに持ち歩ける扇子。
蒸し暑い日、「とらやオリジナル扇子」で涼を呼んではいかがでしょうか?

とらやオリジナル扇子:5,040円(税込)


120円切手を貼ってポストに投函できる「郵送扇」も販売しています。
「郵送扇」で残暑御見舞に涼しさをお届けするのもおすすめです。

郵送扇:1,050円(税込)

郵送扇(郵送できる扇子型のはがき)












E-MAIL:blog@toraya-group.co.jp|http://www.toraya-group.co.jp/

Thursday, August 04, 2011

『西瓜』と『水仙水藻の花』

8月前半販売の生菓子から、誕生した年代を視点に『西瓜(すいか)』
と『水仙水藻の花(すいせんみずものはな)』をご紹介いたします。















画像左の『西瓜』は、平成4年(1992)の社内の新商品コンテストで
考案された生菓子で、平成6年(1994)の虎屋菓撰会[注1]で初めて
お客様にお召し上がりいただきました。
丸い西瓜を四角くデフォルメした意匠(デザイン)は、ただ古いもの
を守るだけでなく常に新しい感覚を取り入れてきた、ある意味
「とらやらしい」菓子の一例ではないでしょうか。

画像右の『水仙水藻の花』は、昭和34年(1959)の色目表[注2]
『水藻の花』として記録されている、昭和に誕生した生菓子です。
この2つの生菓子を改めて眺めると、それぞれの時代の感性が
感じられます。

画像ではご紹介しておりませんが、同時期には安永2年(1773)頃
の「御用御菓子御直段帳」(癸巳安永二年春新製御菓子書入)
に記録が残る『花桔梗(はなききょう)』も販売しております。

それぞれの生菓子を通して様々な時代の感性に触れられることも、
和菓子の楽しみの一つかもしれません。

生菓子販売店、菓銘解説などにつきましては、とらやホームページ
でご紹介しております。


注1:1年を通して特別な菓子をお届けする頒布会です。
          毎年2月に直営店などで会員を募集しています。
注2:月々の店頭販売予定の生菓子を掲載した社内資料です。
         



E-MAIL:blog@toraya-group.co.jp|http://www.toraya-group.co.jp/
ページの先頭
Copyright © 2000. TORAYA CONFECTIONERY CO., LTD. All Rights Reserved.